撮影の裏話を語る出演者たち。左は福山監督
赤主題歌「キミとボクの家」を弾き語りで歌う山本俊之さん
12月22日土曜日、短編映画「キミとボクの家」の上映会が
子午線ホール(アスピア明石 北館9階)で行われた。当日のチケットは事前申し込みであれば
入場無料、キャパ293人のホールはあっという間に満席となった。本映画は、お墓の山石の代表である、山本俊之さんの実話を元に福山監督らが脚本にし加古川を舞台に
人情あふれるヒューマンドラマ映画となった。上映時間も短編映画とする制作の狙いからレギュレーションに収まる29分とした。
上映後、15分のメイキング映像をはさみ、川上麻衣子さんをはじめ、メインキャストは舞台に登場し、
映画作成秘話や裏話などを語った。山本俊之さんらは感謝の気持ちを歌とダンスで表現し、「キミとボクの家(主題歌)」、「塩むすび」、「ずっと一緒に」3曲を
演奏した。最後はオーディションで選ばれたエキストラをステージに招き笑顔で上映会を締めくくった。
イルミネーションの輝きとクリスマスソングが流れる年の瀬、大切な人をおもいやるあったかい気持ちになれたひと時となった。(2018.12.22)
夫婦でうどん屋を営む山本と妻の久美子。しかし山本は、久美子に店を任せて毎日遊んでばかりのダメ亭主であった。一方久美子は、店と家事をきりもりしながら、昔、山本とかわしたある「約束」が実現する日を夢見て、日々汗をながしていた。そんなある日、久美子が店で倒れてしまう…
#キミとボクの家
映画を見終わって外に出る来場者
8月3日(木)、加古川市総合文化センター(同市平岡町)大会議室にて、映画『この世界の片隅に』の上映会が行われた。
戦時中の広島と呉を舞台に、主人公すずとその家族の、ささやかで幸せな暮らしが丁寧に描かれている。
全編パステルトーンの色調はどこかやさしく、人のぬくもりを伝えたい本作のメッセージが込められてるようで、戦時下の無彩色なイメージをかき消す。
原作は、こうの史代(広島出身の漫画家)。本作の片渕須直監督が作品に惚れ込みアニメ映画化。
第2次世界大戦下、戦争によって様々なものが欠乏する中で、家族が毎日の食卓を囲み工夫をする暮らしぶりが描かれている。
誰もが失意のどん底にあった終戦の日。それでも希望持って生きていく、すずたちの姿が印象に残った。(2017)
この映画では、すずさんの日常が描かれており、自分と重ね合わせて見ることが出来ました。だからこそ、どんどん映画に引き込まれて行き、すずさんの想いが痛いほど感じることが出来ました。
戦時中は食べるものも着るものも不自由なうえ、いつ爆弾が落ちてくるかと不安な毎日。一瞬にして住む家がなくなったり大切な人との別れがあったり……生きた心地がしなかっただろうなと思います。今、当たり前のように過ごしている日々が本当に有り難く、幸せだなと感じました。
最後の小さな女の子がすずさんを亡くなったお母さんと重ねて、すずさんも小さな女の子を姪と重ね、お互いに生きる力を見出したシーン、人の温もりを感じることが出来ました。
ほぼ満席状態の館内
2月25日(木)、加古川市総合文化センター(同市平岡町)大会議室にて、兵庫県映画センター主催による、映画『あん』の上映会が行われた。世界的にも有名な監督・河瀬直美が樹木希林を主演に迎え、元ハンセン病患者の老女が尊厳を失わず生きようとする姿を丁寧に紡ぐ人間ドラマ。
おいしい粒あんを作る謎多き女性(樹木希林)と、雇われどら焼き店長の千太郎(永瀬正敏)。店を訪れる女子中学生のワカナ(内田伽羅)それぞれの人間模様が描かれる。原作は、詩人や作家、ミュージシャンとして活動するドリアン助川。第68回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門オープニング作品で、北米最大級の映画祭であるカナダのトロント国際映画祭では、コンテンポラリー・ワールド・シネマ部門の出品作に選ばれた。日本では2015年5月に公開され、各地でアンコール上映もされた作品。上質の映画を、身近な場所で気軽に観賞できる主催者のメッセージも織り込まれた1作となった。(2016)
河瀬監督の人間描写が上手く、始まりもラストシーンも桜の季節で日本らしい自然描写の美しさに魅かれました。
樹木希林の繊細な演技は、若い時から老いた役が板についており、さらに磨きがかかっての自然体でした。
餡を作っている徳江の姿が、なんとも可愛く、小さな動作の中にも人生観が感じられました。
美味しいといって行列までできていた店なのに心ない噂がたち、お客が来なくなり徳江は店を去っていく・・・・・悲しい現実です。
理解しようとしないで、無責任な噂で生きようとする人の人生をどん底に落としてしまうのは観ていて悲しくなりました。また、自分の知らなかった世界の現状を知り、知らなかったことを恥ずかしく思いました。
舞台が施設に移ってからは、話の展開が早くてあっけなかった。
永瀬正敏の「どら焼きいかがですか~」の台詞と子供の声で映画が終わるのも、すごく意味あるものと考えさせられました。
「なりたい自分になれなくていいのよ」徳江の台詞の余韻が今も心に残っています。
心に染みる映画に出会えたことに感謝します。
映画の内容、前評判など全く知らずに見たのですが、良い意味でショッキングな内容でした。
2007年カンヌ映画祭でグランプリを獲得した河瀨直美さんが監督というのも映画が始まってから知りました。
河瀨直美監督作品は今まで、ふたつほど見たことがありましたが、セリフらしくない自然な会話や雰囲気が独特で、好き嫌いが分かれると思いますが、
わたしは好きです。この作品で心に残ったシーンはなんといっても樹木希林さん扮する徳江が「あん」つまり小豆を煮る場面です。
「小豆の声を聞くのよ」「命あるものは皆言葉を持っている」という言葉がとても心に残りました。暗い過去を持つ永瀬正敏さん演じる主人公、
嫌味なオーナー役の浅田美代子さんも好演でしたが、この映画はやはり樹木さんなしでは成り立たなかったと思います。それくらい圧倒的な存在感でした。
暗いお話ですが、余韻はとても良かったです。知らないうちに自然に涙がこぼれる。そんな作品でした。ありがとうございました。
劇場エントランス
6月30日(土)~7月13日(金)の間、明石東宝にて上映のアカデミー賞作品賞『アーティスト』を鑑賞してきました。 国道2号線沿い、明石駅に近いこの劇場・・・ 手描きの看板を今も掲げている懐かしい雰囲気の映画館といえば、ピンとくる方も少なくないのでは。エレベーターを降りてゲートをくぐった先には、かつて子どもの ころに親に連れて行ってもらった記憶が蘇るような『そうだ、これが映画館だ!』というような佇まいが出迎えてくれました。かつてこの場所にいくつも軒を並べていた という今は無き劇場の姿や、いわゆる銀幕最盛期のお話などをお話し下さった柏木社長の目線の先には、ふと私の知りえない当時の景色を思い描かれている ような郷愁と、映画という一つの文化への情熱と深い愛情を感じました。 上映作品は、2011年5月にフランスで公開された(日本公開は2012年4月)フランスのサイレント映画であり、1927年から1932年までを舞台としたサイレン ト映画がトーキー作品へと移り変わっていく様を、主役である男優の栄光と盛衰に新進女優の躍進を重ねることで描いたロマンティックコメディであり、第84回アカ デミー賞では作品賞、監督賞、主演男優賞など5部門を、第64回カンヌ国際映画祭ではプレミア上映され、男優賞を受賞しています。 雨の日の午前中ということで客足はまばらでしたが、後の上映時間には作品とこの劇場のファンが徐々に訪れていました。 (2012)
サイレント映画と聞きどんなに静かな映画なのか…と思いきや、終始バックミュージックが流れていてストーリーに色を添えまるで台詞を代弁しているようでした。
また表情や仕草でこんなに伝わるものかと驚き、スクリーンにグッと引き込まれました。
こんなに想像力を働かせながら見た映画は初めてかもしれません(^^;)普段、台詞やナレーション入りの映像に慣れきっているので、実に新鮮な気持ちで見ることが出来ました。
ストーリーは王道ですが、この分かりやすい王道が私はとても好きです♪主人公ジョージを思うペピーの切ない気持ちも台詞がなくとも十分伝わり心にしみました。
ジョージのスターダムからの転落。。。暗めのストーリ展開になりますが、どこかウィットに富みフランス映画らしいオシャレな感じもあります。そして何よりワンちゃんの名演には脱帽しました。
見終わった後は何だか温かい気持ちになれる映画でした。昔のチャップリンなどの無声映画を見てみたくなりました(^^)